Step3
数字で見るベアリング
数字を通してベアリングのすごさを知ろう!
想像つかない⁉
特大ベアリングと極小ベアリング
さてみなさん!ステップ②のクイズ
「大型 (おおがた) バスの高さ (3.7mほど) より大きいベアリングがある?」
正解 (せいかい) しましたか?
なんとものすごく大きなベアリングの外径 (がいけい) は4.4mのベアリングがあるんですよ。
ベアリングはかせ、そんなに大きなベアリング、本当にあるの?
ではこちらの写真をみてください。
この機械 (きかい) に使われたベアリングの大きさは外径 (がいけい) 4.4m・重さ17.7t (トン/17,700kg) です。
この機械 (きかい) は何? 4.4mもある大きなベアリング、いったい何に使ったのか、ぜんぜん想像 (そうぞう) できないんだけど……
この巨大 (きょだい) な機械 (きかい) は、海の底にトンネルをほるためのドリルです。
イギリスとフランスの間にドーバー海峡 (かいきょう) という海があります。その下を通る長い長い「ユーロトンネル」を作るための作業で、4.4mのベアリングが使われました。
トンネルをつくるのに使われたんだ!
じゃあベアリングはかせ、小さいベアリングは、どのぐらいのサイズなんですか?
次はこちらの写真をみてください。
このものすごく小さいベアリングの外径 (がいけい) は2mm、内径 (ないけい) は0.6mmほど。
えんぴつの芯 (しん) の直径 (ちょっけい) は2mmほどと言われているので、えんぴつの芯 (しん) の直径 (ちょっけい) と、小さなベアリングの外径 (がいけい) がほぼ同じ大きさです。
えんぴつの芯 (しん) と同じ大きさのベアリングがあるんだ!そんな小さなベアリング、何に使うんですか?
医療機器 (いりょうきき) の試作品 (しさくひん) や、なんと耳につけるピアスやネックレスなどに使われたこともあったそうです。
これからの未来、機械 (きかい) の小型化 (こがたか) がすすめば、もっとさまざまな用途 (ようと) で使われるかもしれませんね。
みんな、この小さいベアリングをよく見てみて。
中に玉が入っているのが見えるかな?
この玉がベアリングの中で転がる転動体 (てんどうたい) だよ。玉の大きさは、
なんと0.3mm!シャープペンのほそい芯 (しん) の直径 (ちょっけい) と同じぐらいなんだ。
POINT
役立つ小さなベアリング
医療機器 (いりょうきき) やスマートフォンのような小ささが求められる機械 (きかい) には、当たり前ですが小さな部品がもとめられます。
小さいベアリングは今後もいろいろなところで大活躍 (だいかつやく) していきます。
15年間もこわれないで
回りつづけるベアリング
宇宙 (うちゅう) に!?
今度はベアリングのサイズではなく、「時間」についてお話するね。
じつは15年もこわれないで回りつづけるベアリングがあるんだ。
それは人工衛星 (じんこうえいせい) に使われているよ。
そのベアリングは人工衛星 (じんこうえいせい) の姿勢 (しせい) を調整するフライホイールという装置 (そうち) に使われているんだ。
宇宙 (うちゅう) は地球とちがって、ものすごくきびしい環境 (かんきょう) ……
そんな宇宙 (うちゅう) で15年もこわれないで回りつづけているよ。
超高速回転 (ちょうこうそくかいてん) するベアリング!
ベアリングはかせ、ベアリングはどのぐらい速く回転するの?
少しむずかしい質問 (しつもん) ですね。
洗濯機 (せんたくき) を例 (れい) にしてお話しましょう。
洗濯機 (せんたくき) の中にあるモーターは、
洗濯 (せんたく) のときで1分間に100~200回転、脱水 (だっすい) では1分間に約1000回転します。
その回転をサポートしているのがベアリングなので、
ベアリングもモーターと同じ速さで回転しています。
1分間に1000回転! すごいね!
それが一番速く回っているベアリングなんですか?
歯医者さんが使うドリル、あれはデンタルハンドピースと言いますが、その中には精密 (せいみつ) なベアリングが2つ使われています。
回転数 (かいてんすう) は1分間に400,000回転、1秒間に6,600回転です。
この超高速 (ちょうこうそく) な回転にもベアリングが役立っています。
まさか歯をけずられるのにも、ベアリングがかかわっていたなんて・・・
ベアリングが高速で回っているからけずる時間が少なくてすむし、回転が安定しているからドリルのゆれも無くなって、安全でいたくない治療 (ちりょう) ができるんだよ。
ベアリングをつくる温度
宇宙 (うちゅう) で使う人工衛星 (じんこうえいせい) で、万が一、ベアリングがこわれたらたいへんです。
じょうぶでこわれにくいベアリングにするために、刀鍛冶(かたなかじ)のように金属(きんぞく)を熱したり冷やしたりして加工(かこう)しています。材料 (ざいりょう) にかたさとねばりづよさを出すために、ベアリングの外輪 (がいりん) と内輪 (ないりん) を800度以上の高温で熱 (ねっ) して、一気につめたい水や油で冷やす「焼き入れ (やきいれ) 」と、ふたたび170度に熱して室温(しつおん)でゆっくりひやす「焼き戻し(やきもどし) 」いう作業をします。この手間がじょうぶでこわれにくいベアリングを作るためにかかせない作業なのです。
1mmの1/1000の世界!?
まんまるをめざすベアリングの玉
さて、ベアリングはこわれにくいだけでなく、回転をスムーズにするための精密 (せいみつ) さも必要 (ひつよう) ですね。
その精密 (せいみつ) さには、ベアリングの中で転がる転動体 (てんどうたい) である玉の真球度 (しんきゅうど) がかかわってきます。
その真球度 (しんきゅうど) ってなんですか?
真球とは「完全 (かんぜん) な丸の球」のことです。
そして真球度 (しんきゅうど) というのはわかりやすく言うと、「どれだけ完全 (かんぜん) な丸の球に近いか」という基準 (きじゅん) のようなものですね。ベアリングの玉も完全 (かんぜん) な丸ではないんですが、地球上で一番完全な丸い球に近いと言えます。
ベアリングの真球度 (しんきゅうど) がどれだけすごいかを確認するために、ビー玉とくらべてみましょう。
え?
ビー玉もベアリングの玉も、まんまるに見えるけど……。
ベアリングの玉とビー玉をみんなが住んでいる地球と同じサイズ (※12,742km) まで大きくしたとするでしょ。
そこまで大きくすると、どんなにきれいでまんまるに見える球でもじつは表面にでこぼこがあることがわかるんだ。
けれど、ベアリングの玉は、そのでこぼこがずっと小さくて、まん丸にとても近いんだよ。
ビー玉とベアリングの玉の真球度 (しんきゅうど) は、どれぐらいちがうの?
ビー玉が地球サイズに大きくなったら、表面のでこぼこは世界一高い山エベレスト (8,850m) 以上 (いじょう) になると言われているよ。それにくらべると、ベアリングの玉が地球サイズになったときは、でこぼこは鎌倉 (かまくら) の大仏 (だいぶつ) の高さ (11.5m) ぐらいでおさまると言われているよ。
エベレストと大仏 (だいぶつ) だと、でこぼこの大きさが全然ちがうね!
真球度 (しんきゅうど) はでこぼこの大きさを表すので小さければ小さいほどよい数値 (すうち) です。精密 (せいみつ) なベアリングに使われる玉の真球度 (しんきゅうど) は、なんと0.05マイクロメートル以下です。
マイクロメートルは1mmの1/1000ですから、この地球上でまちがいなく「完全 (かんぜん) な丸の球」に近いのはベアリングの玉 (たま) と言えるでしょう。
もしこの真球度 (しんきゅうど) が大きいと、でこぼこのせいでベアリングが回転するときの振動 (しんどう) が大きくなって、ベアリングの性能 (せいのう) が悪くなっちゃうんだ。
ベアリングの性能 (せいのう) は、すごく小さな数値 (すうち) で守られているんだね……
大きなベアリングも小さなベアリングも、精密 (せいみつ) さのためにおなじくらい大きな努力 (どりょく) をしているんですよ。
みなさん、ステップ③ もおつかれさまでした!
ステップ④へ向けて、ちょっとひと息のベアリングクイズ〜
Bearing Quiz! ベアリング クイズ
風力発電はクリーンなエネルギーの代表格 (だいひょうかく) !! ベアリングは省 (しょう) エネがもとめられる世の中にかかせません。
ステップ④ では「ベアリングの未来 (みらい) 」をテーマにベアリングと省 (しょう) エネの関係 (かんけい) 、ベアリングとテクノロジーの発展 (はってん) を勉強するよ!
風力発電はクリーンなエネルギーの代表格 (だいひょうかく) !
ベアリングは省 (しょう) エネがもとめられる世の中にかかせません。
ステップ④ では「ベアリングの未来 (みらい) 」をテーマにベアリングと省 (しょう) エネの関係 (かんけい) 、ベアリングとテクノロジーの発展 (はってん) を勉強するよ!
答えは
ステップ4 ベアリングの未来 (みらい)
を
読めばわかるよ!
ベアリングはかせとベアリン君が子どもたちの質問 (しつもん) に答え、
たとえ話や身近な例 (れい) を上げながら、ベアリングについてわかりやすく解説 (かいせつ) します。