Press Release

鉄道車両の主電動機向けに長寿命玉軸受を開発

~ 潤滑性能向上とフェイルセイフ構造により耐久性が2倍に向上 ~

NSKは、鉄道車両・在来線電車主電動機用に、従来と比較しメンテナンス周期が2倍以上向上できるグリース潤滑長寿命玉軸受を開発しました。

鉄道車両主電動機向け長寿命玉軸受

鉄道車両を構成する各機器のメンテナンス周期の長期化にともない、軸受に対しても長寿命化のニーズが高まっています。

本製品はこの長寿命化のニーズに対応した仕様として開発しました。

【製品の特長】

潤滑性向上による長寿命化
玉軸受のボールを隔てる保持器を、グリースを長期にわたり安定して補給できるよう特殊な形状にしています。また、この特殊形状保持器の内側面積を大きくすることにより、グリースの付着量を増加させました。これらにより、高速回転の環境でも回転速度の影響を受けにくくなり、耐摩耗性が大幅に向上しました。
非常時バックアップ機能としてフェイルセイフ構造を採用
保持器が支えられる面に異常損傷が発生した場合にも、バックアップのために第2の面が機能するよう構造が設計されており、鉄道向け製品に必要とされる高レベルの安全性に対応しています。

この2つの特長を持つグリース潤滑長寿命玉軸受の開発により、鉄道車両・在来線電車主電動機のメンテナンス周期を従来と比較し2倍以上にできるようにしました。

本製品は既に一部の車両に採用されています。今後、長寿命化に加えフェイルセイフ構造を積極的に取り入れた高信頼性軸受として、鉄道車両の安全性向上への貢献を目指します。

軸受構造の特長

軸受構造の特長