Press Release

高速工作機械用ボールねじ「HMDシリーズ」を商品化

~ 工作機械の高速・高加減速・静音低振動化に大きく貢献 ~


NSKリニアガイド『ナノガイド』

NSKは、前回JIMTOF2006に参考出品し、市場から高い評価をいただいている高速工作機械用ボールねじ「HMDシリーズ」の販売を開始します。

本製品は、高速工作機械向けとしてNSK独自の高速静音技術による新循環方式を採用し、コンパクトなナット寸法で従来比20%の高速化と高剛性・高負荷容量を実現しました。工作機械の高速化・高精度化・静音低振動化に貢献します。

NSKは、本製品を2008年10月30日(木)~11月4日(火)に東京ビッグサイトにて開催される「日本国際工作機械見本市JIMTOF 2008」に出品します。

>> イベント出展情報: JIMTOF 2008 第24回 日本国際工作機械見本市

NSKは2008年11月から本製品の販売を開始し、2011年に40億円の売上を目指します。

【製品の特長】

高速性
循環方式として、NSK独自の高速・静音技術を駆使したエンドデフレクターと新開発のミドルデフレクターを採用し、滑らかなボール循環を実現しました。その結果、許容dn値は16万となり、従来のチューブ式循環に比べ、約20%向上しました。最大送り速度は120m/minが可能となります(軸径40mm、リード30mmの場合)。

注:dn値 = 軸径 d(mm)×回転数 n(min-1)

静音・低振動
新しい循環構造を採用したことで、騒音・振動を従来のチューブ式に比べ約半分に低減しました。これにより、環境にやさしく高精度な工作機械の実現に貢献します。
コンパクト化
新開発のミドルデフレクターにより、多列の循環が可能となりました。新生産技術の適用により、ナット研削長さを従来比約70%長くすることに成功しました。これらの技術開発により、シングルナット予圧方式を全ての型番に採用することが可能となり、軸方向に対し従来比約20%のコンパクト化が実現しました。
高剛性・高負荷容量
2条ねじとボール溝の最適化により、標準ボールねじに比べ剛性3倍・負荷容量2倍(当社比)の仕様となっています。また許容dn値の向上により、同じ使用回転数では軸径をアップすることが可能となり、負荷容量や剛性をアップすることができました。これにより機械の大型化や複合・多軸化や無人化に伴う長寿命ニーズに応えられる仕様が可能となりました。

【開発の背景】

NSKは2003年に高速・静音タイプのボールねじを開発し、「 BSSシリーズ 」として商品化しました。その後、この高速静音技術を駆使し、種々のアプリケーションに対応したシリーズを商品化し、市場をリードする製品を提供してきました。今回その一環として、高速工作機械用に適した本製品を新たに開発し、市場に投入します。NSKは今後も高速・静音技術を活かし、各市場に適したソリューションを提供してまいります。

高速工作機械用ボールねじ HMDシリーズ コンセプト
特長
仕様