NSKは、化学フィルム搬送用として、腐食環境での長寿命化を実現した「調心輪付き高耐食長寿命軸受」を開発しました。
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プレスリリース
2008年08月22日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
~ 高硬度、高耐食性により化学フィルム搬送用軸受として従来比10倍の寿命を実現 ~
NSKは、化学フィルム搬送用として、腐食環境での長寿命化を実現した「調心輪付き高耐食長寿命軸受」を開発しました。
液晶TVをはじめとする薄型TVの画面は、何層もの各種化学フィルムで構成されています。水、アルカリ、酸等の腐食環境で使用される化学フィルム製造設備用軸受には、メンテナンス期間延長のため、長寿命化が求められております。また、薄型TVの大型化に伴い、化学フィルム搬送ローラが大型(長尺)化しており、ローラたわみを許容し、またローラ交換を簡素化する要望も高まっております。
NSKは調心輪を最適設計し、高硬度高耐食ステンレス鋼の内外輪とセラミック球を組み合わせることで、従来比約10倍の長寿命を実現しました。
NSKは本製品により、2010年度に年間5億円の売上を目指します。
従来品のステンレス鋼(SUS630)と比較して約1.5倍の硬度をもつ高硬度・高耐食ステンレス鋼(開発鋼)と、耐摩耗性が高いセラミック球を採用することで、従来比約10倍の寿命を可能にしました。加えて本開発品は、調心輪のはめあい形状、表面あらさ、クリアランス等の最適設計をすることで、軸とハウジングに傾きが発生する構造においてもスムーズな調心性能を発揮します。
内・外輪には高硬度・高耐食ステンレス鋼を採用しました。高硬度でありながら酸、アルカリ環境下においても、従来品のSUS630と同等の耐食性を有します。
軸受を長寿命化することで、製造のためのエネルギー使用量や鋼材使用量を減らします。
NSKは今後も様々な産業ニーズにお応えすべく、各種特殊環境に対応したスペーシアシリーズの製品群の充実を図ります。