Press Release

「真空ロボット用固体潤滑アンギュラ玉軸受」を開発

~ 従来比5倍超の耐久性、高負荷容量を実現 ~

NSKは、 特殊環境軸受スペーシアシリーズ の新製品として、FPD等のパネル搬送用真空ロボット向けに、超高真空*1に対応し、耐久性と負荷容量を高めた「真空ロボット用固体潤滑アンギュラ玉軸受」を開発しました。

*1 超高真空: 10-5Paより低い圧力状態

真空ロボット用固体潤滑アンギュラ玉軸受

大型化するFPDや太陽電池のパネルには、高画質化や高歩留まり化の要求が高まっており、パネル搬送用に使われるロボットにも、超高真空下での耐久性と高負荷容量が求められております。NSKは新機構保持器の開発により、高負荷容量のアンギュラ玉軸受の固体潤滑化に成功。超高真空に対応し、耐久性を従来品比5倍超に高めた「真空ロボット用固体潤滑アンギュラ玉軸受」を開発しました。

NSKは、真空ロボットメーカを中心に本製品を拡販し、2011年度に3億円の売り上げを目指します。

【製品の特長】

低アウトガス性*2により超高真空に対応

従来の真空用グリースに比べて1/5~1/10以下の低アウトガス性を持つ、二硫化タングステン系焼結合金を固体潤滑剤に採用。100℃(固体潤滑剤は350℃まで)、圧力10-6Paまでの超高真空環境での使用を可能としました。

*2 低アウトガス性: 真空中で材料から放出される分子の量(アウトガス)が非常に少ない性能

耐久性・負荷容量を向上

新機構の保持器を開発し、アンギュラ玉軸受の固体潤滑化に成功。大型化する真空ロボットの負荷容量の増加に対応可能としました。さらに、固体潤滑剤を接触角*3位置に配置することで、効率的な軸受潤滑を実現しています。従来形の固体潤滑軸受に比べて5倍超の耐久性を有しています。

*3 接触角: ボールが受ける力の作用線方向のことで、その位置でボールが内・外輪と接触し転動する

環境への貢献

耐久性の向上とパネル製造時の歩留まりを高めることで、材料使用量と製造段階でのエネルギー使用量を削減します。

NSKは、今後も様々な産業ニーズにお応えすべく、各種特殊環境に対応したスペーシアシリーズの製品群の充実を図ります。

真空ロボット用軸受の要求性能
開発軸受の特長