Press Release

盲導犬型ロボットを開発

~ 外界を自律認識し、階段昇降の先導を可能に ~

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、新開発の外界認識技術と、ガイダンス機能により、階段の位置の検出と形状認識を自律して行ない階段を先導しながら昇降できる四脚車輪型ロボットを開発しました。

盲導犬型ロボット

今回、NSKが開発したロボットは、脚先に駆動車輪を備え、平地や段差での高い移動能力を有した四脚の脚車輪型ロボットであり、画像センサと距離センサにより得られた外界情報を、独自の処理を行なうことにより、自律で階段を認識しながら昇降し、人を先導します。本技術は、車椅子、盲導犬や介護犬の代用などへの応用が可能で、人間の視覚力をアシストする自律移動ロボットへと繋がる技術開発を目的としたものです。

NSKは、11月9日(水)から11月12日(土)まで、東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される「2011国際ロボット展」に本開発品を出展し、会場でデモを行い、広く市場でのニーズを探ります。今後、実用化に向け、安全性などの機能につき、市場での実地検証を行っていきます。

開発品の特長

外界認識用新規アルゴリズム
距離画像センサより得られた情報を3次元空間における形状・位置・姿勢の情報に変換し、階段の段数や幅などを認識します※1 これにより、従来困難であった階段昇降中にも、階段の認識が可能となり、上り階段・下り階段を問わず、より安全で安定した階段での歩行が可能となりました。

※1 本アルゴリズムの基本部分は、電気通信大学 金森准教授との共同研究の成果です。

扱い易い先導機能
先導のための人とのインターフェイスは、角度や長さが可動するグリップを採用し、下り階段においても使用者の姿勢を安定させたガイダンス動作が可能となりました。また、人の歩行速度に近いスピードでの移動が可能となり、実用化に近づきました。
階段昇降時の安全性の確保
階段昇降時に足先が着地した際に確実な停止を可能にし、また、段差部への接触を抑制するセンサ※2 を備えており、より確実な歩行で、人を安全にガイダンスします。

※2本センサは、電気通信大学 下条教授との共同研究の成果です。

盲導犬型ロボット

NSKは、これまで軸受やNSKリニアガイド™、ボールねじなどの供給を通じてロボット技術に携わってきました。2007年には、これまで培った機械要素部品技術にメカトロニクスの高度なセンサ技術を統合することで、自律認識して階段を昇降する盲導犬ロボットを開発しました。今回の開発品では、更に外界認識や移動・駆動技術の機能・性能を向上し、ガイダンス機能を付加しました。

NSKは、これからもヒューマンアシストを目指したロボットの開発を通じて、この分野における潜在的な課題をいち早く捉え、NSKの持つトライボロジー、材料、解析、メカトロの4つのコアテクノロジーを活かすことで、ヒューマンアシストテクノロジーの発展に貢献していきます。

ヒューマンインターフェース
安全設計
外界認識