日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、電気自動車をはじめとする電動車に搭載されるeAxleに使われる軸受の電食対策技術のラインアップを拡充し、性能の評価を完了させました。
樹脂皮膜軸受、導電ブラシを耐電食技術に加えることで、様々なお客様の電食対策にお応えし、電動車の信頼性向上と航続距離の延長に貢献します。
NSKは、耐電食軸受の売上として2030年に売上75億円を目指します。
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プレスリリース
2023年03月16日
日本精工株式会社
コーポレート・コミュニケーション部
~電動車の信頼性向上と航続距離の延長に貢献~
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、電気自動車をはじめとする電動車に搭載されるeAxleに使われる軸受の電食対策技術のラインアップを拡充し、性能の評価を完了させました。
樹脂皮膜軸受、導電ブラシを耐電食技術に加えることで、様々なお客様の電食対策にお応えし、電動車の信頼性向上と航続距離の延長に貢献します。
NSKは、耐電食軸受の売上として2030年に売上75億円を目指します。
地球温暖化などの環境問題を背景として、カーボンニュートラルの実現に向けた社会的取り組みが注目される中、環境負荷が小さい電動車へ移行しています。電動車の重要課題の一つが、eAxleの電食対策です。モータの高出力化、駆動電圧の高電圧化により対策が困難になってきています。電食対策には、セラミック玉軸受の採用が一般的ですが、非常に高コストであることが課題でした。
軸受の軌道輪の外周面および端面に樹脂をスプレー、焼結することで数10μmの薄い絶縁皮膜層を形成します。eAxleに必要な絶縁性を、セラミック玉軸受より低コストで確保できます。
また絶縁膜が薄いため、ハウジング寸法の変更をせずに、従来品との置き換えが可能です。
eAxleに必要な絶縁性を備えつつ、セラミック玉軸受より低コストの製品を開発しました。
鉄道向けの樹脂モールド軸受は、特殊な樹脂材料を使用した複雑な設計です。eAxle向けでは、一般樹脂材料を使用し、性能とコストの両立を図っています。
eAxleのモータは、高効率な油冷方式の採用が増加する傾向です。従来の導電ブラシは、油のある環境では採用できませんでしたが、開発品は、冷却油潤滑環境下でも導電性を確保できることが特長です。シャフト内部に製品を組付けることでユニットの省スペース化も可能です。
NSKは、すでに基礎的耐久評価を終え、実用化に向けて評価結果を添えて提案可能です。
上記製品は、セラミック玉軸受に対して低コストであり、eAxleに必要な耐電食性能を有しています。NSKの耐電食技術は絶縁対策、導電対策双方でラインアップし、あらゆる要望に応えることが可能です。
本技術は、eAxleの信頼性向上や小型化を可能にし、電費向上や航続距離延長に貢献します。
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国以上に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。