- 2023年3月に発表した「Micro-UT法を用いた高精度寿命予測(世界初)」*2を実用化し、転がり軸受の寿命計算のパラメータである基本動定格荷重*3を向上
- 基本動定格荷重*3の向上により、基本定格寿命*1(計算寿命)が最大2倍に
- より小型な軸受に置き換えも可能となるため、お客様の機械の小型化・軽量化に貢献
- 小型製品への置き換えによる軸受トルク低減で、製品の使用段階での消費エネルギーを削減し、CO2排出量の削減、カーボンニュートラル社会の実現に貢献
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、転がり軸受の寿命計算パラメータである基本動定格荷重*3を一斉改定し、転がり軸受の基本定格寿命*1(計算寿命)を延長しました。本改定は2023年3月に発表した「 Micro-UT法を用いた高精度寿命予測(世界初) 」*2を、転がり軸受の主要な形式(対象:深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受)に適用したものです。
「 Micro-UT法を用いた高精度寿命予測(世界初) 」*2により、NSK軸受の長寿命性能を従来よりも高精度に計算することが可能となりました。この度、この計算手法をNSK軸受に適用し、軸受の寿命計算のパラメータである基本動定格荷重*3を向上させました。本改定により、例えば、ラジアルころ軸受の基本定格寿命*1(計算寿命)は、最大で2倍に延びます。
なお、改定後の基本動定格荷重*3は、当社Webサイトのエンジニアリングツール(オンラインカタログ、技術計算、CADデータダウンロード)に、本日から反映されています。「オンラインカタログ」と「CADデータダウンロード」では、改定後の基本動定格荷重*3の値が確認可能。また、「技術計算」では、改定後の基本動定格荷重*3を使用した寿命計算等が、実施可能です。(本日7月1日プレスリリース「 当社Webサイト エンジニアリングツールをリニューアル ~使い易さを追求、お客様の設計・検討業務効率向上に貢献~ 」をご参照)
- *1基本定格寿命:一群の同一軸受を、同一条件で個々に回転させたとき、そのうちの90%の軸受が転がり疲れによるフレーキング(はくり)を起こすことなく回転できる総回転数のこと。
- *2「 Micro-UT法を用いた高精度寿命予測 」:鋼材中の非金属介在物の大きさや量(統計データ)から転がり軸受のはくり寿命を高精度に予測する技術。(特許出願済み)
- *3基本動定格荷重:転がり軸受の負荷能力で、外輪静止状態にて内輪を100万回転できる方向と大きさが変化しない荷重を表す。