日本精工株式会社
コーポレート・コミュニケーション部
設備診断エキスパートが支援する状態監視ソリューションの拡充
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、重要インフラで培った診断技術を活用し、高度診断AIおよび経験豊富な当社設備診断エキスパートが支援する「状態監視ソリューション」を拡充し、2024年10月より提供を開始します。
1.状態監視を取り巻く環境と期待
近年、製造業・インフラを中心に更なる生産効率・品質の追及が必要とされるとともに、ESG経営の視点からは更なる安全安心やトレーサビリティの確保といった経営課題の重要性も増しています。
このような中で、機械設備の状態監視の動向としては、IoTやDXなどの期待の高まりもあり、これまでの風力発電設備や石油化学プラントといった重要インフラに加え、NSK製の軸受をご利用いただいている鉄鋼・製紙・自動車その他製造ラインなどの一般産業機械においても導入が加速しています。
お客様の課題と、状態監視ソリューションを通じたNSKの提供価値(全体イメージ)
2.NSKのこれまでの取り組みと今回の拡充
NSKは、グループ会社の独Brüel & Kjær Vibro(ブリュエル・ケアー・バイブロ)が風力発電や石油化学などの重要インフラ設備で培った豊富な診断実績と、高度な診断技術を有する設備診断エキスパートにより、各種リモートモニタリングサービスを提供しています。2024年1月からは、状態監視の導入を新たに検討されている一般産業機械業界に向けて、機械設備への設置が容易なワイヤレス状態監視システムとクラウドサービスを組み合わせた状態監視ソリューションの販売を開始しました。
この度、2024年10月より、従来の有線タイプの状態監視システム(状態監視装置「VCM-3」を用いたシステム)にクラウドサービスとのデータ連携機能を追加します。これにより、一般産業機械においてもより高度な状態監視を求めるお客様向けに、NSKの高度診断AIと診断エキスパートによる状態監視ソリューションの提供が可能となります。また、2025年には、回転機構と直動機構の組み合わせによる複雑な加工プロセスに対応するためのトリガー機能を同システムに実装する計画で、これにより工作機械などの加工・組立設備に対する状態監視が新たに可能になります。
NSKは、カーボンニュートラルの実現に向けて、当社製品を活用する設備のメンテナンスや補修、廃棄まで含めたPLM※モデルの確立に取り組んでおります。この実現に欠かせないのが状態監視ソリューションです。従来の転がり軸受などの製品および技術サービスと連携し、この新たな価値の提案に向けた技術開発を進めていきます。
※ Product Lifecycle Managementの略。製品のライフサイクルを管理すること。NSKでは、製品販売後の設備メンテナンスや補修も含め、製品ライフサイクル全体でのサービス提供体制の強化を進めています。
NSKのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みなど詳細は「NSKレポート2024」を参照ください。
なお、本ソリューションは、2024年11月5日(火)~11月10日(日)に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2024 第32回日本国際工作機械見本市」に出展します。
■ NSKについて
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。
■ 参考リリース
・ 2021年3月
コンディション・モニタリング・システム事業の買収完了について | ニュース | 企業情報 | 日本精工(NSK) (nsk.com)
・ 2023年9月
直動製品の状態監視システム実用化に向けた開発を開始 | ニュース | 企業情報 | 日本精工(NSK) (nsk.com)
・ 2024年2月
ワイヤレスソリューションの国内市場投入開始 ~状態監視システムの国内ラインアップを拡充~ | 日本精工 (NSK)
■ 製品情報