日本精工株式会社
コーポレート・コミュニケーション部
日本精工株式会社と国立大学法人東京大学、
『サービスエクセレンス』共同研究契約を締結
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)と国立大学法人東京大学(本部:東京都文京区本郷7丁目、以下東京大学)は、2024年12月に『サービスエクセレンス*1』の共同研究契約を締結いたしました。
本活動は、NSKの品質保証本部と東京大学の大学院工学系研究科(原辰徳准教授)および東京大学 総括プロジェクト機構 「QualityとHealthを基盤におくサービスエクセレンス社会システム工学」総括寄付講座(水流聡子特任教授)による共同研究であり、品質面からのビジネス競争力強化のために、サプライヤーの立場を生かしたサービスエクセレンスの実装方法論およびエクセレントサービスの設計方法論開発を目指します。
*1 『サービスエクセレンス』:エクセレントサービスを一貫して提供するための組織の能力と定義されています

1. サービスエクセレンスについて
日本の企業が激しい国際競争を勝ち抜くには、顧客満足(ISO9000)では不十分であり、顧客に“非常に大切にされている”、“自身の期待を超えている”と、感じていただくことが必要となっています。こうした感情は『カスタマーデライト』と呼ばれ、これを実現する優れたサービスは『エクセレントサービス』と呼ばれます。これらを一貫して提供するための、組織能力(サービスエクセレンス)の原則及びモデルと、その設計方法に関するISOとJISが制定されています。
(サービスエクセレンス-原則及びモデル ISO 23592<JIS Y 23592 : 2021>、サービスエクセレンス-卓越した顧客体験を実現するためのエクセレントサービスの設計 ISO/TS 24082<JIS Y 24082 : 2021>)
2. NSKがサービスエクセレンスを導入する狙い
いまやサービスは製造業においても欠くことができません。グローバル化が進み、サービスの受け手が世界中に広がった今、サービス発信側の思いを伝える『おもてなし』という属人的で伝承的な考え方だけでなく、『サービスエクセレンス』という、受け取り側の体験(顧客体験)まで捉えた、組織的で体系的な取り組みを実装することは、市場での成功、ひいては組織の持続的発展につながると考えています。
既述の2つの規格は、ISO9001を基盤としてエクセレントサービスを提供できるようにモデルとして活用することで、組織能力を強化させ、企業変革に向けてマインドセットを変化させ、組織の未来を創る規格と言われています。NSKとしては将来、この認証取得が受注条件に加わる可能性も視野に入れ、現段階から関わりを持っておくことが重要と考え、今回の共同研究契約の締結に至りました。
3. NSKが目指すモノづくり ~モノ売りからコト売りへ進化するために~
NSKは、当社の祖業であるベアリングとそれを超えた事業展開(「Bearing & Beyond」)で収益を伴う成長を実現することを目指しています。ベアリングは、品質と言う武器を実装して、お客様の商品に組み込まれることで、お客様に価値を与えていくものです。その特性上、お客様に寄り添い、一緒に問題を解決し、より良いサービスやソリューションを提案し続けることが使命と考えています。
今後は、開発段階からの共創とアフターサービスを通じた伴走を通じて、お客様のペインポイントを正確に理解した上で、個々のお客様に的確なソリューションを提案し、サービスを超えたエクセレントサービスの提供およびカスタマーデライトの実現を目指していきます。
このNSKが目指すモノづくりをこれから100年先も脈々と続けていくために、当社の文化として定着させる必要があると判断し、サービスエクセレンスという仕組みの導入を決めました。
■NSKについて
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。