スラストころ軸受

概要

スラストころ軸受

NSKのスラストころ軸受には、円筒ころを用いたもの、円すいころ、および球面ころを用いたものがあります。支持できるのはアキシアル荷重だけです。重荷重の支持に適し、アキシアル方向の剛性が高いという特長があります。標準として、もみ抜き保持器を採用しています。

スラスト円すいころ軸受には、ハウジング軌道盤(外輪)につばがあるTT形とつばがないTTF形があります。TT形はラジアル方向へ確実に固定できる場合に適し、TTF形は運転中に生じる若干のミスアライメント(軸とハウジングの芯違い)を許容できます。

スラスト球面ころ軸受は、ころ中央部が膨らんでいて自動調心機能を備えているため、取付誤差や軸のたわみによる影響を受けません。高負荷容量設計で打抜き保持器を用いたE形があります。

 


製品一覧

円筒ころを用いたスラスト軸受は、アキシアル荷重のみを受け、高荷重の用途に適しており、アキシアル方向の剛性が大きいです。保持器は銅合金もみ抜き保持器です。

特長

  • シンプルな構造で高負荷容量かつ高剛性です。
  • ころには差動滑りが生じるため、高速回転には向きません。また、保持器をガイドする構造を設ける必要があります。

用途例

  • 工作機械ワーク回転テーブル、粉砕機回転テーブル、押出機

円すいころを用いたスラスト軸受であり、TT形は外輪に つば があり、TTFは つば がない。
TT形はラジアル方向に確実に固定できる場合に適し、TTF形は運転中の若干のミスアライメントを許容できる。

球面ころを用いたスラスト軸受で、調心性があり、取付誤差や軸のたわみの影響を受けない。従来形のほかに、高負荷容量設計で打抜き保持器を用いたE形(呼び番号末尾に記号Eが付く)がある。横軸・高速回転の用途には、銅合金もみ抜き保持器付きを推奨する。詳しくは、当社にご相談ください。

ころ頭部と軸軌道盤のつばとの間、保持器と案内スリーブとの間の滑り接触面など、潤滑剤の行きわたりにくい部分が多いので、低速回転でも油潤滑を採用します。従来形の保持器は、銅合金もみ抜き保持器です。

特長

  • ハウジング軌道盤の軌道面が球面を成しているので、自己調心性があります。
  • アキシアル負荷能力が大きく、アキシアル荷重が加わっている場合、多少のラジアル荷重も受けられます。

用途例

  • エアプレヒータ、押出機、射出成型機、掘削機、クレーン

よくある質問

 

answers固定側の軌道輪(外輪)について、厳密な位置決めの必要はありませんが、ころの走行面から軌道輪がずれてはみ出さないよう、ずれ防止のガイドを設けてください。

 

answersスラスト玉軸受はラジアル荷重を受けてしまう可能性があるので、上記すきまを推奨しています。スラスト円筒ころ軸受は構造的にラジアル荷重を受けないので、それほど大きいすきまを設けなくても大丈夫です。

 

answersスラスト円筒ころ軸受や一部のスラスト円すいころ軸受(TTFタイプ)などを除き、アキシアル荷重に対して一定割合のラジアル荷重の負荷は原理的には可能ですが、安定してご使用いただくためにはさまざまな制約や条件があります。基本的には、アキシアル荷重受けとしてのご使用を推奨しています。

製品資料


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