2.5 スラスト軸受
スラスト軸受(スラストベアリング)は、アキシアル荷重(回転軸方向の荷重)を支持する場合に使用します。
転動体形状によって、スラスト玉軸受とスラストころ軸受に大別されます。
スラスト玉軸受
- 軸に取付ける軌道盤を軸軌道盤、ハウジングに取付ける軌道盤をハウジング軌道盤と呼びます。
- 複式の場合は、中央の軌道盤(中央軸軌道盤)を軸に取付けて使用します。
- 単式の場合は、一方向のアキシアル荷重、複式の場合は、両方向のアキシアル荷重を負荷することができます。
- 取付誤差などの影響を軽減するため、ハウジング軌道盤に調心座金を付けた形式もあります。
- 主として、小形の軸受は、鋼板の打抜き保持器、大形の軸受は、もみ抜き保持器を使用します。
スラスト自動調心ころ軸受
- 転動面がたる形のころを斜めに配列。ハウジング軌道盤の軌道が球面をなしているので、軸受は調心性をもっています。
- スラスト負荷能力は非常に大きく、アキシアル荷重がかかっている場合、多少のラジアル荷重を負荷することができます。
- ころと軸軌道盤のつばとの間の滑り接触面など、潤滑性能を確保するため、低速回転であっても油潤滑を推奨しています。
- 軸に取付ける軌道盤を軸軌道盤といい、ハウジングに取付ける軌道盤をハウジング軌道盤と呼びます。