精機製品・産業レポート: ボールねじ 高防塵仕様

自動車生産設備等では異物環境下でボールねじが使用されることがあります。精密に仕上げられたボールねじのボール転動面にとっては、小さなゴミも、転動面を傷つけたり、スムースな潤滑を妨げ、結果として寿命を縮めることにつながります。高防塵仕様ボールねじは、自動車製造設備、工作機械のような異物環境下でも異物、粉塵などの侵入を低減し、寿命延長に大きく貢献します。

1. 異物侵入量を1/15以下に低減

ねじ軸は特殊溝形状にすることでシール性能を向上させ、ナット内部への異物の侵入を低減しています。異物通過率は従来の標準シールに比べ1/15以下に低減されます(図2参照)。また、シール部をねじ軸断面に近いリップ形状にすることでコンパクト化をはかり、温度上昇を低減させるために低トルク設計となっています。

構造、異物侵入率

2. 潤滑ユニット「NSK K1™」との相乗効果により4倍以上の耐久性を実現

防塵性および耐久性をさらに高めるために、潤滑ユニット「NSK K1」を併用しています。「NSK K1」との相乗効果により、過酷な環境下を想定した鉄粉混入試験では、標準シール装着品と比較して4倍以上に寿命が延びる結果となっています。(図3参照)

ボールねじ軸径 32mm
リード 32mm
送り速度40m/min
ストローク700mm
荷重1.4kN
潤滑グリース
(初期封入のみ)

 

鉄粉混入による過酷耐久試験結果