精機製品・産業レポート: ボールねじ 非磁性仕様
電子顕微鏡や電子ビーム描画装置等、電子ビームを使用する装置は磁場により測定精度が低下するため、また、MRI(磁気共鳴画像装置)等、強力な磁場で利用する装置においても、使用されるボールねじは非磁性であることが求められます。
NSKではオーステナイト系特殊非磁性材料を使い、非磁性環境、強磁性環境で使えるボールねじを実現しました。
1. 非磁性ボールねじの仕様
ボールねじ仕様
軸径は8~28mm、ナットはフランジ径でφ68、リードは1.5mmより対応できます。固体潤滑処理(二硫化モリブデン、金メッキ、銀メッキ)にも対応できます。
仕様(1) | 仕様(2) | |
---|---|---|
軸径 | 12 | 8 |
リード | 6 | 2 |
ねじ部長さ | 160 | 140 |
軸方向すきま | 0.020 | 0.020 |
2. 非磁性材料の採用
軸、ナットはオーステナイト系特殊非磁性材料を使い透磁率 μ<1.01 以下を達成、ボールはセラミック(窒化珪素系)を採用し、磁性ゼロを実現しました。
3. すぐれた耐食性
オーステナイト系ですので一般ボールねじより防錆性は格段に優れています。
クリーン環境においても、NSK低発塵グリースLG2を使えばボールねじからの発塵を気にする必要はありません。