精機製品・技術レポート:低発塵グリースLG2、LGU スペーシアシリーズ
半導体、液晶パネルなど情報産業分野における製造設備用駆動装置は、ボールねじ、リニアガイド、転がり軸受から発生する潤滑グリースの発塵を極端に嫌う。潤滑グリースからの発塵粒子は、半導体素子の製造工程における汚染源となり、製品価値を失うような欠陥を生じる要因となる。
従来、この環境では蒸発量の少ないふっ素系グリースが使用されていたが、一般に、摩擦トルク、耐摩耗性、防錆性能などの問題点が指摘されていた。一方、市販の鉱油や合成油を基油としたグリースは、発塵量が多く、クリーン環境に適さないという問題があった。
NSKは、これらの問題を改善した大気用クリーングリースとして、LG2グリース、LGUグリースを開発した。
発塵量と動トルク変化を図1、図2示す。
- LG2グリースは、最適組成の選定と、製造条件を厳密に制御することで、低発塵性を実現した。また耐摩耗性、防錆性、低トルク性能に優れた特性を有するグリースである。
- LGUグリースは、LG2グリースの使用温度範囲を高温側へ広げ、更に配合成分から金属元素を取り去ったグリースである。
表1は、低発塵性グリースの性状を示す。