日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 内山 俊弘、以下NSK)は、世界規模で電動油圧ブレーキシステム用ボールねじの需要の急拡大が見込まれることから、2018年3月に生産を開始した埼玉県羽生市の埼玉工場に続き、本年1月から群馬県前橋市のNSKステアリングシステムズ株式会社 総社工場 赤城製造部(以下、赤城工場)にて、ボールねじの生産を開始しました。
近年、自動車の安全性能が向上する一方、居眠り運転や誤操作による事故も増加しています。こうした背景から、欧米や中国でも運転をアシストする衝突被害軽減ブレーキの搭載機運が高まっており、日本では2021年11月以降に国内で販売される新車へ搭載が義務化されます。
電動油圧ブレーキシステムは、もともとはアイドリングストップの普及により、ブレーキを踏む力をアシストするブースタに、エンジンの負圧が使えなくなることへの対応として普及が進みましたが、衝突被害軽減ブレーキとの親和性が高いことから採用が拡大しており、中でも応答性に優れるボールねじ式の採用の拡大が見込まれています。
NSKは、電動油圧ブレーキシステム用ボールねじを、2018年3月から埼玉工場で生産を始めています。NSKのボールねじは、高い信頼性に加え、軸受生産のノウハウを活かしてサポート軸受をボールねじと一体化することにより、小型・軽量化も実現しています。
採用拡大による需要拡大に応えるため、2020年1月末から新たに赤城工場で生産を始めました。今後、海外生産も検討しており、2026年には年産1000万本のグローバル生産体制の構築を目指します。なお、ボールねじ生産に伴う投資総額は100億円規模を見込んでいます。