日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 内山 俊弘、以下NSK)は、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発しました。本製品は、駆動モータの大幅な高速化を実現可能とし、電動車の燃費・電費の向上、航続距離延長、快適性向上に貢献します。NSKは、本製品の売上として2030年に100億円を目指します。
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プレスリリース
2020年03月12日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 内山 俊弘、以下NSK)は、電動車駆動モータ用高速回転玉軸受を開発しました。本製品は、駆動モータの大幅な高速化を実現可能とし、電動車の燃費・電費の向上、航続距離延長、快適性向上に貢献します。NSKは、本製品の売上として2030年に100億円を目指します。
温室効果ガス排出等による環境問題が深刻化する中、環境負荷が小さい電動車の普及が期待されています。電動車普及に向けた重要課題の一つが航続距離の延長であり、より大きな電池を搭載できるスペースが求められています。
近年、電動車用駆動システムの小型・軽量化と駆動モータの高出力化ニーズを背景に、モータ支持用の玉軸受には、これまで以上に高速回転性が要求されています。玉軸受を高速で回転させた場合、発熱の影響による潤滑不良に起因する焼付きの発生、また遠心力の影響による保持器変形に起因する破損が課題でした。
NSK独自開発のグリースを使用することで、発熱による潤滑不良を抑制し、従来品に比べ寿命の延長を可能にしました。
保持器先端部を薄くすることで軽量化し、遠心力の影響を低減すると共に、保持器根元部の剛性を高めることで、高速回転時における保持器の変形抑制に貢献します。
本形状の採用により、高速回転時の保持器変形が大幅に低減します。
高速回転時の保持器変形を抑制する、耐熱性と剛性に優れた樹脂材料を開発しました。本樹脂材料は、高速回転時に遠心力の影響による保持器の変形を大幅に低減します。
本製品は、NSK独自開発のグリースと新たに開発した樹脂保持器の効果により、dmN*1 = 140万 (内径35mmの軸受で30000rpm)の高速回転を可能にします。
*1 dmN:「軸受のピッチ円径(dm)」と「回転数(n)」の積であり、軸受の回転性能を示す指標。
本軸受は、世界一高速対応可能の製品*2であります。電動車駆動モータの大幅な高速回転化が可能となります。また、駆動モータの高出力化を実現するとともに、モータユニットの小型・軽量化をはじめ、電動車の燃費・電費の向上、航続距離延長や快適性向上にも貢献します。2020年末には更なる高速回転対応軸受(160万dmN)のプレスリリースを予定しています。
*2 当社調べ (グリース潤滑軸受)
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™ を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。