日本精工株式会社(以下、NSK)は、Brüel & Kjær Vibro(ブリュエル・ケアー・バイブロ、以下「BKV」)ブランドで知られるコンディション・モニタリング・システム(以下「CMS」)事業(以下「BKV事業」)を買収すること(以下「本件買収」)を決議し、当該事業の所有者である英国のSpectris Plc.(以下「スペクトリス社」)と譲渡契約を2020年12月10日に締結しましたので、下記の通りお知らせいたします。
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プレスリリース
2020年12月10日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
日本精工株式会社(以下、NSK)は、Brüel & Kjær Vibro(ブリュエル・ケアー・バイブロ、以下「BKV」)ブランドで知られるコンディション・モニタリング・システム(以下「CMS」)事業(以下「BKV事業」)を買収すること(以下「本件買収」)を決議し、当該事業の所有者である英国のSpectris Plc.(以下「スペクトリス社」)と譲渡契約を2020年12月10日に締結しましたので、下記の通りお知らせいたします。
近年、設備や製造ラインの保全手法として、予知保全が注目されています。予知保全とは、設備や製造ラインのコンディション・モニタリング (状態監視)により、得られた情報を分析し診断することで、保全のみならず、生産性向上や品質改善への貢献が期待され、デジタル・トランスフォーメーション推進の重要性が叫ばれる中、生産革新の手段としても注目されています。当社の軸受をはじめとする主力製品は、設備の機能・性能を支える重要部品であり、これまでに蓄積した豊富なデータ・技術・知見は予知保全を実用化する為の鍵となり得ます。このような背景から、当社は、第6次中期経営計画(2019-2021年度)において、成長への新たな仕掛けとして「CMS事業の構築」を掲げています。具体的には、故障診断・余寿命診断の技術サービスを起点に、設備が抱える問題点や課題のソリューションを提供するコト売り事業にまで展開し、幅広い産業の発展への更なる貢献を目指した研究開発と事業開発を進めています。
当社はこの度、中期経営計画の実行施策の加速・拡大を狙い、CMS市場の専業大手であり、今後も急速な成長が見込まれるBKV事業を買収し、当社CMS事業構築のプラットフォーム(土台)とします。BKV事業は、当社代表執行役社長直轄の自律型組織となり、当社リソースも活用することで、より迅速で積極的な事業展開が可能となります。当社は、BKV事業を当社CMS事業の成長ドライバーと位置づけ、BKVの優良な顧客基盤、技術、信頼のブランド、CMS人材、事業開発に不可欠な Big Dataへのアクセス等を、活用することで、CMS事業開発を加速させ、自動化・省人化・スマート化・環境対策等の社会的ニーズへの当社の対応力を一層強化していきます。
BKV事業は、北海油田リグ(掘削機)の常時監視を祖業として、1942年にデンマークで創業されました。BKVは、回転機械のCMS市場のパイオニアであり、現在は、ポンプ、タービン、コンプレッサー、発電機などの回転機械向けの設備保全・状態監視ソリューションの世界的な大手サプライヤーとなっています。その製品およびサービスには、振動センサー(加速度、速度、変位)、振動モニター、ソフトウエア、プラント全体のオンライン統合監視ソリューションなどの包括的なサービスが挙げられ、世界中の石油化学コンビナート、プラント、発電プラント、風力発電等で安心・安全な運転の実現と生産の革新の為に広く活用されています。
代表者 | CEO Marcel van Helten |
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事業規模 | 売上 52.5百万ユーロ(約65億円)、従業員数 約220名 |
主要事業 | 状態監視装置およびセンサーの製造販売、状態監視サービス等 |
産業別売上 | 風力発電(42%)、オイル・ガス(16%)、水力・火力発電(7%)、その他(35%) |
地域別売上 | 欧州(43%)、アジア(29%)、米州(22%)、その他(6%) |
CMS設置実績数 | 風力発電 30,000機、水力発電 800機、LNG・石油精製10,000機 |
スペクトリス社は、英国Eghamに本社を置き、1915年設立された、ロンドン証券取引所上場企業です。高度な精密機器、制御機器、科学分析器等の製造・販売を行ない、世界30か国以上に約9,000名の従業員を有しています。2019年度の総資産は1,973百万ポンド(約2,720億円)、売上は1,632百万ポンド(約2,250億円)です。
BKV事業の買収価格は約169百万ユーロ(約211億円)であり、取得対価については手元資金を充当します。