- 植物由来のバイオマスプラスチック *1 保持ピース NSK S1 *2 を開発
- 植物由来の原料によりCO2排出量を9割削減
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、世界で初めてボールねじ用100%植物由来のバイオマスプラスチック *1 保持ピース NSK S1 *2 を開発しました。
NSKは、カーボンニュートラルな社会の実現に取り組んでいます。この一環として、従来の化石由来のプラスチックに比べCO2削減効果の高いバイオマスプラスチックの採用を拡大していきます。NSKは、本開発品を適用した製品の売上として、2026年までに10億円を目指します。
- *1:バイオマスプラスチック・・・
- 再生可能な生物(主に植物)由来の資源を原料にしたプラスチック
- *2:NSK S1・・・
- NSKボール保持ピースの商標
開発の背景
各国でSDGsやカーボンニュートラルへの取組みが進む中、多種多様な産業機械においては、さらなる環境への配慮が求められています。
ボールねじは、高い効率を活かした転がり要素部品として、様々な産業機械に使われ、運動の転換や力の伝達の機能を果たす過程で、より省エネを実現します。特に、射出成形機やサーボプレス機などでは、消費電力削減の観点より、駆動方式が油圧式からサーボモータとボールねじを使用した電動式へ切替わりが進んでいます。このような業界トレンドの中、ボールねじの需要増加が見込まれています。
本開発では、環境に優しいバイオマスプラスチックをボールねじ保持ピースに適用することで、カーボンニュートラル実現への更なる貢献を目指します。
開発品の特徴
- 100%バイオマスプラスチックを、ボールねじ保持ピースに世界で初めて採用
- リアルデジタルツインの活用により、開発期間を大幅に短縮
リアルデジタルツインの活用により、寸法、形状、変形、強度等を評価し、従来の保持ピースと同等性能を持つ、バイオマスプラスチック保持ピースを短期間で開発することができました。
本製品の効果
プラスチック製保持ピースは、ボールねじのボール間に配置され、ボール同士の競り合いを防ぎ、ボールねじの耐久性向上に寄与します。本製品は、バイオマスプラスチック材料を使用することによって、さらにカーボンニュートラル実現への貢献という新たな価値を提供します。
NSKについて
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国以上に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。
参考リリース