やさしくモノを搬送する屋外走行ロボットの開発を開始

「屋外走行機能」「安定搬送機能」「自律走行機能」の3つの基本機能を低床ボディにパッケージ化
NSKのコアテクノロジーを活用し、リンク式サスペンションや、振り子構造による姿勢維持・免振機能などの独自技術を開発
整備されていない路面でも荷物を安定して搬送できるため、これまでロボット導入が難しかった屋外環境での自動搬送に貢献

日本精工株式会社(本社：東京都品川区、代表者：取締役代表執行役社長・CEO 市井明俊、以下NSK)は、サービスロボット向けプラットフォームとして、屋外走行ロボットの開発を開始しました。本開発では搬送に関わる3つの基本機能をパッケージ化し、サービス業をはじめとする幅広い産業の搬送業務の自動化に貢献します。本開発品は2023年11月29日(水)～12月2日(土)に東京ビッグサイトで開催される「2023国際ロボット展」に参考出展します。

開発の背景

サービス業を中心とした産業では、接客業務への人的リソース配分強化や、労働安全衛生の向上などを目的として、搬送業務の自動化ニーズが高まっています。しかし、ロボットが走行できる環境は限定的であることが多く、凹凸のある路面やスロープの走行が困難であることや、路面状態により荷物が不安定になるなどインフラ整備の課題がありました。そのため、サービスロボットの普及が進んでいないのが現状です。

本開発品の特長

NSKのコアテクノロジーを活用し、屋外搬送に関わる3つの基本機能を低床ボディにパッケージ化

屋外走行機能
- 片側3輪をパンタグラフ形状のリンク式サスペンション(特許出願中^*1)とし、駆動輪を確実に接地。凹凸のある路面や、最大50mmの段差走行が可能。
- 駆動輪にダイレクトドライブモータ^*2を使用することで摩擦を軽減し、かつ静粛性を実現。
安定搬送機能
- 振り子構造の姿勢維持・免振ユニット(特許出願中)。最大10°のスロープや段差昇降時の荷物の姿勢変化を抑制し、かつ加速・減速の衝撃を軽減。これにより食品などデリケートなモノの搬送が可能。
- ボディの低床化(312mm)により、荷物の重心を低く抑え、走行時の車体の安定性を強化。
自律走行機能
- 画像による3D認識であるため、一般的なLiDARによる2次元認識よりも高精度な環境認識を実現し、屋外や狭い通路でも走行が可能。