円筒ころ軸受

概要

円筒ころ軸受

円筒状のころと軌道とが線接触をしている単純な形状の軸受です。負荷能力が大きく、主としてラジアル荷重を受けます。転動体と軌道輪のつばとの摩擦が小さいので、高速回転に適しています。

軌道輪のつばの有無によって、NU、NJ、NUP、N、 NF形などの単列軸受及びNNU形・NN形の複列軸受があり、いずれの形式も内輪と外輪は分離できるようになっています。

内輪または外輪につばの無い形式の円筒ころ軸受は、内輪と外輪がアキシアル方向に相対移動できるので、自由側軸受として使用されます。内輪又は外輪のいずれかに両つばがあり、他方の軌道輪が片つばの円筒ころ軸受は一方向のアキシアル荷重をある程度受けることができます。

 

複列の円筒ころ軸受は、ラジアル荷重に対する剛性が高く、主として工作機械の主軸に用いられています。主に鋼板打抜き保持器と銅合金もみ抜き保持器が用いられますが、一部にポリアミド成形保持器も使用されています。

円筒ころ軸受には、軌道輪のつばの有無によって次のような形式があります。

円筒ころ軸受の形式

NU形、N形、NNU形及びNN形は自由側軸受に適しています。NJ形、NF形は、一方向のアキシアル荷重をある程度受けることができます。NH形、及びNUP形は、固定側の軸受として使用されます。NH形はNJ形にL形つば輪HJ を組付けたものです。

 

 


製品一覧

円筒ころ軸受(打抜き保持器)

高負荷容量「EWシリーズ」をご用意しています。

円筒ころ軸受(もみ抜き保持器)

高負荷容量「EMシリーズ」をご用意しています。

          

円筒ころ軸受(ポリアミド成形保持器)

ポリアミド成形保持器付き高負荷容量「ETシリーズ」は-40~120℃の温度範囲であれば連続使用可能です。ただし、ギア油(ギヤー油)、難燃性作動油、エステル系合成油を100℃以上の高温で使用する場合はNSKにご相談ください。

総ころ形円筒ころ軸受は、保持器を省き、最大数量のころが組込まれているので、非常に大きな負荷容量をもっています。総ころ形であるため、保持器付き軸受に比べて高速性能は劣ります。

開放形の単列及び複列軸受は、主に一般産業機械の低速高荷重の用途に、シールド形複列軸受は主にクレーンシーブ用に使用されます。

クレーンシーブ用に専用特化した設計になっており、耐候性に優れ、高耐久な軸受です。組みつけやすさやグリース補給など、メンテナンス性についても配慮されています。

特長

  • 密封性
    接触シールにより、異物や水などの侵入防止効果が大きくなっています。
  • 高負荷容量
    シーブ用軸受として、大きなラジアル負荷容量とスラスト負荷容量をもっています。
  • 耐食性
    りん酸塩被膜処理により防錆性が向上しました。
  • グリース補給形
    密封形軸受でありながら、内輪に設けられた給脂穴からグリースを補給できます。
  • 取付部品の減少
    外輪止め輪付きなので軸受回りの部品点数を減らすことができ、シーブ全体を経済的な構造にできます。

よくある質問

 

answers回転数において、玉軸受は高速に有利であり、負荷荷重において、ころ軸受は重荷重に有利です。

 

answers円筒ころ軸受は基本的にシール装着なし(オープン仕様)で、取付装置にシール等を設けて頂いてます。理由は外輪と内輪が分離できるようになっているためです。

 

answersEWシリーズ(打抜き保持器)は小形で標準的な使用条件に適しており、ETシリーズ(ポリアミド成型保持器)の適用できない高温下での使用が可能です。EMシリーズ(もみ抜き保持器)はより過酷な条件で使用される減速機、振動機械、あるいは静粛運転が要求される中大形モータなどに適しています。

製品資料


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