生産技術開発

生産設備を自前で開発し、
製品の性能・品質と
価格競争力に貢献する

生産技術センター 設備開発部
電装設計Ⅰグループ 副主務

生産設備の絶え間ない改善が
製品の競争力に直結する

私が所属する設備開発部には、軸受の研削加工や超仕上げ加工を行う設備の開発・設計を行うグループ、組立設備や検査設備の開発・設計を行うグループ、先行要素開発や設備プロトタイプ開発・評価を担当するグループがあります。このうち私が配属されているのは最初のグループで、主に軸受の玉が走るリングやボールねじを研削加工する研削盤の電装設計を担当しています。

NSKの生産工場に設置される精密加工設備を開発していくミッションの中で、私の役割は機械担当とタッグを組んでPLCによる制御システムを設計していくことです。研削加工の高精度な制御はもちろん、研削を終えた部品を加工位置から外し、次の部品をセットする、その入れ替えのハンドリングをより正確かつ高速に制御するプログラミングも求められます。加工精度の高さは品質に直結し、加工・搬送時間の短縮は工場の生産効率の向上に大きく寄与します。

そのため私たち設備開発部の業務は、NSKの最終出荷製品の性能・品質と価格の双方に関する競争力を大きく左右することになります。工場から途切れることのない要望は、期待の裏返しだと考えています。工場を土台から支えているという自負は大きいです。

インタビュー写真01

途切れることのない工場からのオーダーを
設備の自社開発で解決していく

一般的に製造業が自社の生産設備を揃える際には、工作機器メーカーやその他の設備専門メーカーから調達します。汎用的な標準製品をそのまま購入して使うケースも、ベンダーとなる機器・設備メーカーに仕様を伝えて大幅なカスタマイズを加えたあとで導入するケースも見られます。しかしNSKでは、前述のように従来から自社で大半の生産設備を開発・設計・製造しています。

それは独自の先進加工技術や生産方法を追及すること、設備の改良や障害対応を素早く行うことを可能とします。それらを実現するためには、工場の生産現場が求める設備を迅速に提供していくための高度な開発力や支援体制が必要です。工場から届く設備開発依頼は、すぐに対応が可能な内容から、今の技術ではまだ実現できないものまで千差万別であり、広範囲な対応力が求められます。私たち設備開発部は自らの開発力を絶え間なく磨いていくとともに、工場と密に連絡を取って、不良品発生の原因追求や生産性向上に向けた課題の共有を図っています。また、先進加工技術を追求する加工開発部と連携して、最新の加工技術の量産機への移行も進めています。

工場の評価がダイレクトに響く
設備稼働テストの成功に充実感

増産のためには従来設備をコピーして少しの改良を加えるだけで済むこともあれば、現場の設備を一部改造するだけの開発もあります。しかし、私たちが担う設備開発業務の多くは、重要な課題の抜本的な解決を図る新規設備の開発であり、十分な仕様検討や開発実験を要します。とりわけ新製品の量産のための設備の開発には、不確定要素が多いため時間をかけて行います。

そこで重要になるのが、工場の生産管理技術者やオペレータの方々との協業体制です。どこが問題で、どのような設備であればクリアできるか、幾度も話し合って検討を重ねます。時には、厳しい議論も交わします。壁に突き当たると辛い思いもします。そうした段階を経て、開発すべき設備の詳細が固まっていくのです。そのための工場出張も多いですが、実際に工場に出向くことで、人と人との深い信頼関係を築いていくことができます。以前、イギリスにあるNSK工場の日本人同僚からある生産上の課題について相談され、渡英して何とか解決したこともありました。設備は一人でつくれるものではなく、工場の仲間みんなと共に開発を進めていく感覚があります。

だからこそ、仲間と一緒に苦労して立ち上げた新設備に製品が流れた時には、何物にも代えがたい感動があります。

インタビュー写真02

安心してキャリアを積める環境があり
ともに技術に向き合える仲間がいる

前職は自動車業界とは関係が深く、技術者派遣の立場で振動を解析する設備の開発を担当していました。完成車メーカー各社のエンジニアと接する機会が多く、そうした中でやはり仕事にじっくりと向き合ってキャリアを伸ばしていける安定した環境が望ましいと感じ、大手メーカーへ転職しようと考えたのです。

NSKを選んだ大きな理由は、経営の安定した大手独立系メーカーだったからです。またPLCやタッチパネルを使って生産設備をつくるキャリアを継続・発展できそうな点や勤務地など、あらゆる希望条件に合致しました。設備を自前で開発している点にも、中身の濃い仕事ができそうだと興味を持ちました。

入社後に感じたのは、技術力の高さや社内の風通しの良さです。それに労働環境や福利厚生にも大満足です。仲間と協力して高い壁に立ち向かっていく、そんな志向を持った方との出会いを期待しています。

Message

NSKに入社してよかったと感じるのは「社内で製造工程をすべて設計しており、制御に対する技術力がとても高い」という点です。また、新規ラインの開発での挑戦や海外工場への設備展開など、幅広い業務を経験することでさまざまな人や文化に触れられ、自分のスキル向上にもつながったと考えています。設備設計は自分一人で完遂することはなく、仲間とともに技術力を高めたいという気持ちや、コミュニケーション能力が必要となります。「制御技術を極めたい」という向上心と、「色々な人と話したい」という思いを持った方をお待ちしております。一緒に挑戦して行きましょう。

※組織、役職名称は取材時のものです。

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