ABOUT NSK
BUSINESS & JOB
WORK & CAREER
ENVIRONMENT
RECRUIT
PROFILE
自動車事業本部
自動車技術総合開発センター
自動車軸受技術センター
パワートレイン軸受技術部
2008年入社
工学研究科 数理環境科学専攻修了
CAREER
STEP
自動車向けベアリングの開発部門に配属。新製品開発の企画立ち上げから量産化まで、一連の製品開発業務を経験。最上流からの企画開発を担当。欧州市場向けの新製品としてメディア向けの発表や、特許出願も担当した。
自動車向けベアリングの設計部門に異動。顧客の要望に応じ、最適な製品の提案に取り組む。開発部で得た知見や蓄積した人脈を活用し、顧客のニーズに応える製品提供に取り組んだ。
産休・育休を経て、海外研修生の育成や海外向けの設計ツールや開発といった、海外への技術移管などの業務を担当。
現在は、設計担当に復帰し、次世代を見据えた新たなパワートレインを支える要素を開拓している。
大学院で所属したのが、「摩擦(トライボロジー)」に関する研究室でした。身近でありながらほとんど解明されていない「摩擦」という現象に面白さを感じ、知見を活かせるベアリングの世界に興味を持ちました。摩擦の可能性をビジネスの世界で探りたいと考えたことが、NSKを志望したきっかけです。ベアリングは国境も業界も超えられるボーダレスな製品であり、NSKの技術力があれば「摩擦」で世界を変えられると思い入社を決めました。
入社後に配属されたのは、自動車向けベアリングの開発部門。ここは設計部門や営業部門と協力して将来の市場を予測し、顧客の潜在的な要求に合った製品を企画から製品化まで行う部門でした。ここで5年間、欧州向けのベアリング開発に取り組み、欧州市場特有の要望を満たすため、専用のベアリングを開発し、小型・軽量化と高効率化を実現しました。
5年間の開発経験で感じたのは、自分の仕事に意義を見出すことの重要性でした。製品開発には時間もお金もかかりますが、開発した製品が世に出て社会に貢献できるようになるのは将来の話です。そのため開発中は常に「なぜこの開発が必要なのか。世の中にどのように必要とされて、役に立つのか」といった点を意識していました。
次に配属された部署は、自動車向けベアリングの設計部門でした。顧客ごとに異なる様々な要望に応じてカスタマイズした製品を提案するなど、開発部門よりも顧客に近い位置で開発、設計を行う部門です。コストダウンや小型化、高耐久性など顧客ごとに様々な要望があり、それらを満たすにはどうすればよいか、いかに最適化して納得していただける製品を提案するかが設計の腕の見せ所です。この仕事では、開発部門時代に培った社内の人脈に助けられることも多かったですね。従来通りの考え方では成立しない時には、開発要素を加えることで新しい製品を提案することが出来て、開発部門時代の経験を活かした設計が出来ました。異動によるシナジー効果を実感した瞬間でした。
その後、2度の産休・育休を取得し、勤務時間が変則的になったため、顧客業務から離れて、海外研修生の育成や設計ツールの開発といった海外への技術移管に関する業務を担当することになりました。経験のない仕事でしたが、プライベートの子育てと仕事の人材育成が、「人を育てる」ことで共通しており、相互に経験を積むことができました。他にも、タイムマネジメントやコーチングなど、家庭でも活かせるビジネススキルは多く、プライベートと仕事の経験がリンクした時期でした。子育てはまだまだ途中ですが、研修が終わって帰国した会社での教え子たちは、自国で立派な設計者になっており、業務で再会する機会があると誇らしい気持ちになります。
入社時には産休・育休なんて考えてもいませんでしたが、想定外のライフイベントがあっても、自分のキャリアを諦めることなく働き続けられたこと、そしてその環境を用意してくれた会社にはとても感謝しています。出産や育児だけでなく、どんな境遇にある社員にも、「働き続けて欲しい」という会社の強い意志を感じました。
ガソリン車から電気自動車へ。
大きな転換期を間近で見られるやりがい。
現在は5年ぶりに設計の業務に就き、顧客対応業務を行っています。今、自動車業界は、ガソリン車から電気自動車に移行する大きな転換期を迎えています。そこで求められるのは、電気を動力源とする次世代のパワートレイン(動力源、または動力を駆動輪に伝える装置や部品の総称)です。たとえば電気自動車に搭載されるモータの最高回転数は、ガソリンエンジンの約3倍。電動化によって、従来の重たく遅い回転から、軽くて速い回転に変化しています。この高速回転に対して、効率よく動力を伝達するには、パワートレインはどうあるべきか、パワートレインを構成するベアリングはどのようなものが必要なのかといった、設計思想そのものを変えていく必要があります。
また、ベアリング開発のキーとなる「摩擦」の世界は、未だ不可思議で解明されていない部分が少なくありません。なぜ、運動エネルギーがなぜ熱エネルギーに変換されるのか、摩擦抵抗はどこから、どのくらい発生するのか。まだまだ分からないことが沢山ありますが、それを突破する要素開発も、新たなパワートレインに必要になると考えています。「摩擦」という物理現象を解明することは、今後も続く私の挑戦です。知らない世界を解き明かし、それを社会にカタチとして発信できる技術者を目指していきたいですね。
※組織、役職名称は取材時のものです。